事後保全比率の計算方法|故障対応工数を見える化する
- 機種・シリーズ
- 保全工数管理
作業の前には、必ず電源を遮断し、社内の安全手順(ロックアウト・タグアウトなど)に従ってください。この記事は一般的な情報です。機器ごとの正式な手順や仕様は、取扱説明書とメーカーの案内を優先してください。
故障が起きてから行う修理や復旧対応に、保全チームの工数がどれだけ使われているかを示すのが事後保全比率です。比率を定期的に記録すると、緊急対応が増えて計画作業を圧迫していないかを振り返れます。
事後保全比率の計算式
事後保全比率(%)= 故障対応に使った保全工数 ÷ 保全総工数 × 100
ある月の保全総工数が100時間で、故障対応に40時間使った場合、40 ÷ 100 × 100 = 40%です。残り60時間は、計画保全、改善、点検などに使われた工数として整理できます。計算は事後保全比率計算ツールで行えます。
工数の範囲を統一する
分子と分母は、同じ期間・同じ単位で集計します。実作業時間だけを数えるのか、故障の連絡、現場への移動、原因調査、部品待ち、復旧確認まで含めるのかを決めてください。作業時間と設備が止まっていた時間は別の指標なので、混ぜずに記録するのが基本です。
工数を「時間」で集計する方法と、作業件数で集計する方法では意味が違います。1件の長時間修理と短時間修理を同じ1件として扱うと負荷が見えないため、工数比率を使う場合は実際の作業時間を記録します。
比率が高いときに確認すること
比率が高い状態は、保全工数の多くが故障後の対応に使われている可能性を示します。ただし、高いことだけで保全が悪いとは判断できません。設備の老朽度、生産条件、故障の重大さ、計画停止の有無も影響します。
故障を設備別・故障モード別に分け、頻度と停止影響を見ます。繰り返す故障なら、発生条件、交換部品、点検で検知できたかを調べます。復旧に時間がかかる場合は、診断手順、必要部品、承認や応援の待ち時間を分けて記録します。
比率を改善活動につなげる
故障対応工数の削減を目指す際は、安全や品質を犠牲にした応急処置で終わらせないようにします。原因を除去する対策、点検方法の見直し、予備品の配置、作業標準の整備など、工数を生んだ要因に対する対策を選びます。計画保全の増加が効果につながったか、故障件数と停止時間の推移で確認してください。
事後保全比率と合わせて、保全作業バックログや計画保全実施率も見ると、緊急対応が計画作業へ与えている影響を把握しやすくなります。故障頻度と復旧時間の定義はMTBF・MTTRの解説で確認できます。
よくある質問
事後保全比率に外注先の工数も含めますか?
社内の保全総工数との比較が目的なら、対象者の範囲を決めて一貫して集計します。社内外を合算する場合は、外注工数も記録できる仕組みを用意してください。
事後保全比率が低ければ理想ですか?
比率を下げることだけを目標にすると、必要な修理や改善まで抑えるおそれがあります。設備リスク、故障影響、予防保全の効果を合わせて評価してください。
参照したマニュアル
- 保全屋の備忘録「事後保全比率計算」の入力条件・計算式。工数区分と集計範囲は各事業所の管理基準に従ってください。
よくある質問
事後保全比率が低ければ理想ですか?
低さだけでは判断できません。設備のリスク、故障影響、予防保全の効果を合わせて評価してください。